使徒パウロをローマに移送する船が暴風に巻き込まれて破船寸前になりました。人々は積荷を捨ててさらに三日目には船具までも投げ捨てました(18-19節)。何日も太陽も星も見えない日が続いているし暴風は止む気配もなくて救いの望みが消えた状態となりました(20節)。船にいる人々は死にそうな状況を見て不安と恐れに脅かされていたことでしょう。その時に使徒パウロがみんなに元気を出しなさいと言います。さらに命を失う者はいないから安心しなさいと励ましました(22,25節)。
大きな荒海に、何日も続く暴風に、船の積み荷と船具までも捨てた状況に、何日も何も食べてない状態に、救われる可能性のない現実にて誰が不安を感じないで、恐れないでいることができるでしょう。ところが、使徒パウロは違いました。むしろ、船に乗っている人々に元気を出しなさいと繰り返して言いながら励まして望みを与えています。信仰の人は人々に見れないものを見えて、聞けないことを聞けます。そして、それらを信じて、頼りにするからこそ大胆に前進することができます。
人々の不安と恐れに縛られる理由は、信じられるものがなくて、頼りにできる対象もないからです。しかし、信仰の人である使徒パウロは確かに主の御使いを見て、彼が伝えてくれた主なる神様のみことばを聞きました(23-24節)。そして、それがその通りになると信じました(25節)。すなわち、信仰が不安と恐れに打ち勝つ力となったのです。私たちもどうすることもできない大きな試練や苦しみに遭遇することがあります。それで、不安と恐れに飲み込まれるようになることもあります。それを打ち勝つ方法はただ信仰だけです。
具体的に私たちが信じるべきことは、第一、生きている主なる神様の全的な主権です(Ⅰサムエル2:6-7;箴言16:9;エレミヤ10:23)。主がすべてのことをご自分の御心を成されるために主権をもって動かされるのです。第二、主なる神様の約束のみことばです(ローマ1:2;4:20-21;Ⅱコリント1:20;Ⅰヨハネ2:25)。主のみことばは過去にも成されたですし、現在も成されているし、未来も成される約束です。主権信仰とみことば信仰、この二つがあれば、イエス様が世に打ち勝たれたように私たちも打ち勝ちます(ヨハネ16:33)。アーメン。
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